さて、今日はお休みだから映画でも〜と思ったけど、連休だしぷいきゃ〜とかお子様向けはファミリーな方々におゆずりしたいしなにより混んでで席がねぇ!ので、ちょっとだけ気になってた『ひるね姫』を見てきました。
うん、いいよこれ。変な表現だけど、「いい意味で地味」。
劇場用映画なんでついつい「血沸き肉躍る」を求めちゃいがちで、私もこの作品もそういう盛り上げ作品なんだろうなぁと思ってましたけど、いや、そういうクライマックスとかアクションも用意されてるんですけど、なんつーか、それがメインディッシュじゃないと言いますか…。
なんかつかみどころがなくてうまく言えないのですけど、作品全体に漂う「ここちよさ」ですかねぇ。上記のような盛り上がるシーンじゃなくても、機嫌よく見てられるといいますか。
これにはいくつか理由が挙げられると思うのですが、もちろん一言で言えば「演出のうまさ」みたいな言葉で言えてしまって詰まらんのですが。
一つは、脚本のち密さ、そしてそれを感じさせないストーリーテリングの巧みさ。二つの世界を行き来する(こう書くと去年の妖怪映画みたいだw)のでとうぜん複雑な入り組み方をしてるんですが、状況がストレスなく頭に入ってくる。これはかなりスゴいことなんじゃないかと。
いろんな伏線やギミックが絡んできて、それが説明ゼリフなしでちゃんと生きてくる。その辺の流れがすごく気持ちがいい。
もう一つは、やはり人柄かなぁ。いや、キャラクターの誰それが人柄がいいってんじゃなくて。
作品一つ一つに人柄みたいなものがあると思うんですよ。この作品は貫禄があるとか。この作品は派手で楽しいけど意地悪そうだとか。
そういう意味では、やさしい映画だなぁと。キャラクターや世界にそそぐ視線が温かいと。
作中でちょっと語られてて、「あ、この人たちのこともっと知りたな」と思ったら、エンドロールでその様子が垣間見られるのもすごくよかったなぁ…。キャラクターをすごく大事にしてる感じで。
奇をてらった作品や大盛り上がりの派手派手な作品も、もちろん劇場で見る醍醐味なのでアトラクション的に考えてもすごく大事だと思いますが、今作品はどちらかというとそういうのと違って、なんか気持ちよく元気になれる感じの、むしろハデハデ映画が苦手な方にも見てほしいかなぁと。デート映画としてもよさそうですが、むしろ家族で見てほしい感じがしますね。
と、褒めてばかりですがちょっとだけ引っかかるところも。
これはあくまで個人的なものですけど、モリオくんもうちょっと報われてほしかったなぁ…。基本中心が主人公の家族の物語なので仕方がないんですけど、彼、部外者だしココネの彼氏でもないのに、ものすごく献身的にがんばってたわりには、最後なんかなぁ…。
ほんのちょっとでいいから、ラストでもうちょっとだけモリオをはじめとした「協力者」さんたちにカメラを向けてほしかったというのが、個人的な不満点ではあります。いや、けしてないがしろにはしてないんだけど、もうちょっと、こう…。
最後に、キャスト的なことを。
日テレが深くかかわってるせいもあってか、メインキャストは声優さんより役者さんとかが多かったのでわりと心配してましたが、その部分はまったく問題ありませんでした。みなさんお上手。
個人的には、やっぱ古田新太の悪役がいいんだよ〜。ぶっちゃけそれを見に行ったと言っても過言ではない。
2017年03月19日
『ひるね姫』観てきました。
posted by もきち at 22:15| Comment(0)
| 映画
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