2016年09月02日

『ゴーストバスターズ』見てきました。(ネタバレあり注意)

すげぇ久しぶりのブログ更新。単にツイッターで書くには長すぎるからと言う理由で。



今日は『ゴーストバスターズ』見てきたんですよ。
なんか、事前のうわさ、特に本国アメリカで論争になってる話を聞いて、なんとなく嫌な予感をしながら見に行きました。
いや、面白いことは面白いんだけど、なんというかう〜ん。
すごく居心地の悪い映画だったなと。


この映画が難しいのは、この映画を下手に批評すると差別だなんだ言われちゃいそうなところなんだけど、そういう問題じゃないんだ。
バスターズが女性になったのは、そのこと自体は別にそれはそれでいいとは思う。個々人的にはホルツマン博士のクレイジーっぷりは最高だとおもうし。
胡散臭い小汚いメカ類も個人的にたまらんものがあったよ。新兵器たくさん出たけど、バットマンに出てくるような工業製品っぽい奴じゃなくて、ガレージでその辺のもので作りましたって感じの武骨なやつ。

でもやっぱり、この映画が『ゴーストバスターズ(以下GB)』の名前を背負うなら、二点不満がある。
これはあくまで過去ニ作(1&2)が好きだった私だから思うことで、全くの新作として観たら違う感想になってたかもとは思う。

一つは、これが過去作の続編じゃなくて、シチュエーションだけいただいた新作(リブートっていうんだっけ?)だってこと。いや、そのこと自体はいいんだ。
過去に彼ら(過去作の主人公たち)がいた世界だと、それなりにGBが世界に認知され、ゴーストの存在と、その科学的アプローチの成功例が確立してるので、新しいバスターズの異端っぷりが引き立たない、退屈な二代目になってしまうし。
でもだったら、GBのスタイルだけは踏襲して、それ以外は目新しいもので攻めてほしかった。(GBマークくらいは別にいいけど)

ゴーストがねぇ…。ゴーストがなんつーか、かわいくないのよ。

過去作のゴーストはなんつーか、「うははそんなんありかwww」って感じの、意外でユーモラスなのが多かったけど、今作のはなんか想像の範囲内と言うか…。そんでもって、オニオンヘッドとかマシュマロマンとか過去作のゴーストは出してるけど、なんか前作へのリスペクトと言うより、都合のいいところだけ前作利用してるように見えちゃうのよね。これはゴーストのデザインだけじゃなく、あちこちに感じた。テーマソングとか。

なんか、潔くない。

この辺はどうなんだろうな〜。監督は完全リフレッシュでやりたかったけど、過去作ファンの出資者など外野がうるさかったとかな…ってこれはあくまで想像だし真相は知らないけど。

もう一点は、やっぱり『GB』をなのるなら、どこをどういじってもいいから

「クレイジーなバカ映画」

に仕立ててほしかった。
繰り返すけど、女性が主人公でも全っ然かまわないんだ。でも「バカ映画」であることだけは譲れないんだ。だって私は『ゴーストバスターズ』の名を冠する映画を見に来たんだから。

そういう意味で、前半は結構楽しんでみてたんだよ。でも、なんかだんだんノイズが濃くなってくる。
世間やマスコミが、胡散臭い「ゴースト退治屋」に冷たくて生きづらいのは当然だけど、それでウジウジしてほしくなかったんだよ。それこそ女性が新しく主人公になったんなら、「男には耐えられないだろうがアタシらは屁でもねぇ」くらいに行ってほしかった。
過去の不幸もバディの友情も、あっても味付けくらいにしてほしかった。

私はクレイジーなホルツマン博士が大好きだった。だから内心「そう」思ってても、劇中では口に出してほしくなかった。出すにしても「ひょっとしたらそういう風に思ってたのかも…」くらいの寸止めで行ってほしかった。

で、ラストシーンの「IハートGB」。
え、あそこで感動しろっての? あのくっさいので?みんなで抱き合って?
もう勘弁してください…。

バカ映画でいい話シチュやるなとは言わないよ。でもそういうのはさりげなくやろうよ。
通り過がりのこどもがGBゴッコしてるくらいでいいよ。汚いおっさんがテーマ曲を口ずさんでるとかさぁ。
つか、今まで虐げられてた人が、手のひら返しで支持されるのって、「いい話」映画ならいいけど、シニカルな笑いを含んだ映画だとなんか怖くない?
そうじゃなかったら、クライマックスより前のあたりで、「お偉い人たちからは嫌われてたけど、市民からはあんがい慕われてる」描写とかほしくない?

なんか、そういう部分が全部「雑」。

なんつーかねー。こっちはカレーが喰いたいのよ。多少具が変わってもいいし、ルーのブレンドが変わってもいい。カレーを喰わせろ。
それを、新店主のポリシーで、ヘルシーでエコでセレブでございますのでビーフストロガノフでございますなんて出してきやがっても、頼んでねえよこの野郎なんですよ。


過去二作の脚本は、私の大好きなダン・エイクロイド(過去作の4人の一人)なんだけど、今作ではたくさん名を連ねる「製作総指揮」の一人ですね。つか、製作総指揮が何人もいるってのも謎だけど。
これを知ってちょっとホっとした。今作もダンが脚本書いてこれだったら、ファンとしてちょっとがっかりする。こんな雑な話作る人じゃなかったから。
タクシーの運転手役でカメオ出演はちょっとうれしかったけどね。


で、お話の終わるころには渋い顔してた私ですが、スタッフロールはちょっと好き。
ケヴィンいいよね。またコメディでなんかやってほしい。
でもそのさらにラストで、過去作にお話が続くような引き…。それだけはやめてください…。



あと、以下は映画本編の問題じゃないけど、今回私は吹き替えで見たんだけど、なんかセリフの翻訳のセンスが悪かったような…。
この辺は英語に堪能じゃないので、実際に訳が悪いのかもともとアレなのかはわからないけど…。

それとさぁ。やっぱお笑いさんを声優に使うのは難しいね。
今回、その辺あまり意識しないで見に行ったけど(どうやらお笑いさんが噛んでるらしいってくらいの知識)、やっぱりアビーの声がいまいちで…。
帰ってしらべたら、アビーは渡辺直美…。いや、渡辺直美自体は嫌いじゃないんだけど、やっぱり声優さんとしてはキツイな…。友近はまだよかったけど。
これは持論なんだけど、お笑いさんでもコント畑の人は声優やってもいい演技するのよね。爆笑の田中さん(モンスターズインクのマイク)とか、雨上がりの宮迫さん(インクレディブルズのシンドローム)とか。
でもそれ以外のお笑いさんで、声優でよかったためしがない…。渡辺直美さんもセリフ使うコントとかやらないし。
やっぱり朴璐美さんとくじらさんは最高だったよ。一種に演技してるとすごい差を感じる。

でもあれだね。三ツ矢雄二さんはやっぱり最高だね。
ホンのチョイ役だけど、すごいインパクトだし、声当ててる俳優さん(コメディアン)の元の演技もいかれてるんだろうなぁと想像してにやにやしちゃう。
posted by もきち at 21:48| Comment(0) | 映画